広域協、事実上の敗北宣言 仮処分裁判を取り下げ

7月3日、大阪広域生コン協組と中央大阪生コンが、関生支部に対して業務妨害禁止仮処分を求めた裁判を取り下げたことが判明した。事実上の敗北宣言だ。

この仮処分裁判は、大阪広域生コン協組(以下、大阪広域協)と、同協組副理事長の地神秀治氏がオーナーの中央大阪生コンの2者がおこした。連帯ユニオン関西地区生コン支部のストライキ(17年12月)が営業妨害だとして差し止めを求めていたもの。

この仮処分裁判の内容はきわめて異例だった。第1に、ストはとっくに終わっているのに仮処分を申し立てた点だ。大阪広域協と中央大阪生コンの主張は、要約すると、「労使対立は依然としてつづいているから、いつまた関生支部がストを打つかもわからない。だから差し止めが必要だ」というものだった。

第2に、業者団体である大阪広域協も当事者となっていた点だ。個別の企業による申立は、その是非はともかく、それなりに理由がありうるだろうが、164社という大所帯の業者団体にそもそも申立当事者としての適格性があるのか。しかし、大阪広域協は、「1カ所でも加盟社がストを打たれたら、それは広域協のすべての加盟社に対するストと同じだ」と言い張った。

こうした主張自体に無理があることはあきらか。それでも仮処分裁判をおこしたのは、「関生支部のストは広域協組のすべての加盟社への攻撃だ。だから加盟社が結束して立ち向かうべきだ」という、一部執行部の昨年12月以来の組合つぶし政策の論理と強引な組織運営を正当化するためだったからだ。仮処分裁判は木村理事長らにとっての錦の御旗だったといってもいい。

仮処分裁判の旗色は悪かった。こうした主張はどうみても通用しそうにない。そこで両者は棄却される前に申立を取り下げざるをえなくなった。それが取り下げの意味だ。

6月21日には高槻生コンの除名無効の仮処分決定が出されている。それにつぐ今回の敗北で、大阪広域協執行部の強権支配にほころびが見えはじめた。